▲Cardiff Map
〈出典〉 1910年地図 : Cardiff中心部 1/15.000(左) Cardiff Dock 1/63.360(右)
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明治31年 團・牧田の海外視察 その4 「Cardiff Dock」
三池築港百話 第十一話は、牧田環(まきた たまき)の残した日記や談話をもとに、三池築港前史を繙く・・・その4回目 「Cardiff Dock」です。
今回の時計の針も、三池築港工事が始まる4年前の1898(明治31)年頃となります。
前回は、Cardiff滞在2日目に一行が辿ったBarry Dockへの視察を見てきました。
今回からは、いよいよCardiff Dockの視察再現を試みてみましょう。
まずは、一行が視察に訪れた頃の Cardiffの石炭船積用Dockについての概要をお伝えしたいと思います。
先のCardiff Map 右側の地図を参照しながら、以下のDockについての概要をご覧下さい。
今回からは、いよいよCardiff Dockの視察再現を試みてみましょう。
まずは、一行が視察に訪れた頃の Cardiffの石炭船積用Dockについての概要をお伝えしたいと思います。
先のCardiff Map 右側の地図を参照しながら、以下のDockについての概要をご覧下さい。
South Welesに位置するGlamorganの炭鉱からは、Cardiffへ大量の石炭が輸送されていました。
その最も古い積み出し施設は「The Bute Ship Canal」、後の「Bute West Ddock」です。
1839年に完成したもので、当初はその名のごとく“Canal(運河)”の船便を利用した石炭の運搬でした。
産業革命以来、今もイギリス国内に残る運河とナローボートは、鉄道が出現するまでは主要な石炭の輸送手段でした。
1841年になると Taff Vale Railwayが開通、これによる石炭輸送の増大にともない1855年に「Bute East Dock」が築造されます。
その後も石炭輸送は増大をし続け、1874年には「Roath Basin」 そして1887年に「Roath Dock」が増設され、更に1887年には前回お伝えした「Barry Dock」が築造されました。
Cardiffに築造された最後のdockは、1907年に完成した「Queen Alexandra Dock」でした。
その最も古い積み出し施設は「The Bute Ship Canal」、後の「Bute West Ddock」です。
1839年に完成したもので、当初はその名のごとく“Canal(運河)”の船便を利用した石炭の運搬でした。
産業革命以来、今もイギリス国内に残る運河とナローボートは、鉄道が出現するまでは主要な石炭の輸送手段でした。
1841年になると Taff Vale Railwayが開通、これによる石炭輸送の増大にともない1855年に「Bute East Dock」が築造されます。
その後も石炭輸送は増大をし続け、1874年には「Roath Basin」 そして1887年に「Roath Dock」が増設され、更に1887年には前回お伝えした「Barry Dock」が築造されました。
Cardiffに築造された最後のdockは、1907年に完成した「Queen Alexandra Dock」でした。
付け加えると、Cardiffの西を流れ下るEly Riverの河口の街Penarthにも、1865年にDockが開かれています。この「Penarth Dock」を加えると、最盛期のCardiffには、計6ヶ所のDockが存在したことになり、その規模の大きさが偲ばれます。
このようにDockの相次ぐ拡張にともないCardiffの街も発展をとげ、1880年頃にはイギリス最大の石炭積出港として成長をとげたのでした。
いわば、ここCardiffが世界の石炭取引の中心地となっていたわけです。
いわば、ここCardiffが世界の石炭取引の中心地となっていたわけです。
ところで、この地図が作製された1910年頃がCardiffにおける石炭積出しのピークでした。
第一次世界大戦終結後は安いドイツ炭の流布と石油採掘の始まりにより、South Walesの炭鉱も縮小を余儀なくされ、同時にCardiffの港も衰退の一途をたどることになります。
ちなみに、現在では「Roath Dock」と「Queen Alexandra Dock」の2つを残すのみで、ほかの Dockは埋め立てられてしまい存在しません。(「Penarth Dock」は、ヨットハーバーとして再生しています)
第一次世界大戦終結後は安いドイツ炭の流布と石油採掘の始まりにより、South Walesの炭鉱も縮小を余儀なくされ、同時にCardiffの港も衰退の一途をたどることになります。
ちなみに、現在では「Roath Dock」と「Queen Alexandra Dock」の2つを残すのみで、ほかの Dockは埋め立てられてしまい存在しません。(「Penarth Dock」は、ヨットハーバーとして再生しています)
さて、次回は一行が訪ねた「Bute Ddock」を中心に、Cardiffにおける石炭積込方法についての考察を試みることにしましょう。
今回はこれにてお開きです。
(つづく)
◆現在のCardiffの地図については、以下のページをご覧下さい。
http://maps.google.co.jp/maps?ie=UTF8&ll=51.463954,-3.157969&spn=0.026148,0.044203&z=14
http://maps.google.co.jp/maps?ie=UTF8&ll=51.463954,-3.157969&spn=0.026148,0.044203&z=14