炭鉱電車が走った頃

当ブログは、かつて大牟田・荒尾の街を走っていた“炭鉱電車”をメインにしています。かつての「三池炭鉱専用鉄道」の一部は、閉山後も「三井化学専用鉄道」として運行され、2020年5月まで凸型の古風な電気機関車が活躍しました。“炭鉱電車”以外にも、懐かしい国鉄時代の画像や大牟田・荒尾の近代化遺産を紹介していますので、興味がおありの方はどうぞご覧下さいませm(_ _)m         管理人より  

カテゴリ: 万田百景

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第二坑 坑口


安全燈室や浴室がある建物から
薄暗い通路を通って、第二坑の坑口にやってきた

通路から、明かりさす坑口を望む

かつては、地下274mまで掘り下げられていたこの竪坑
今では土砂によって埋め立てられてしまったが、
静かに古を語っている


その場所は、何か厳かな雰囲気を漂わせる

シーンと静まりかえった中、天空から柔らかな日の光が差し込む
まわりを堅いコンクリートに囲まれたこの空間・・・

緑の羊歯の葉が、その幾星霜の時間を教えてくれる


ケージがこの竪坑を昇降していた頃を想像してみる

耳を澄ませば、ケージ昇降のベルが聞こえてくる



(つづく)

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1年後の 第二坑 坑口

2009年の11月3日・・・

連載中の写真からちょうど1年後の 万田坑 第二坑


今年は快晴の天気にも恵まれ、補修工事が完了した万田坑第二坑の竪坑櫓が一段と輝いて見える
前回の写真にある坑口の縁から、竪坑櫓を見上げる

美しく塗装し直されたイギリス製の鉄製櫓が初々しく感じられた
その間隙から、やわらかい秋の日差しが漏れ落ちてくる・・・

しばしの間、竪坑櫓をフィルターにして天空を見上げる



(つづく)

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第二坑 坑口のコンクリート壁


深さ274mあった坑口
今は土砂で埋められ、その坑口もコンクリートで閉ざされている

坑口の櫓を眺めたあとは、薄暗いその壁面を見上げる

何の飾りもない壁面に
緑の羊歯が一面に生い茂る一画があった

煉瓦の壁に、羊歯の胞子たちが舞い降りたのか・・・


薄暗く、湿った冷気が醸しだす空気の中
この青々とした羊歯の生命力に、閉山後の歳月をみる

(つづく)

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第二坑と第一坑を結ぶ隧道

第二坑の傍ら

旧選炭場の下を、第一坑にぬけるトンネルがある


土と一体化したようなナローの錆びた線路
第一坑側出口は、半分土砂に埋もれたようなこのトンネル

映画やドラマの撮影にも使われたらしい


地底の坑道を思わせるような雰囲気が

今も漂う場所である



(つづく)

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隧道に連なる線路と炭がん


旧選炭場の下、第二坑から第一坑にぬけるトンネル

トンネル内から、第二坑側出口を望む
ナローの錆びた線路がつづき、第二坑と職場を結ぶ

その線路上に錆びた炭がん(炭車)と台車、
奥のほうには、ケージ(竪坑の昇降用エレベーター)がひっそりと今も佇む

このような光景をじっと眺めていると、
まるで、炭坑が生きていた時代にタイムスリップするかのような錯覚に陥る



耳を澄ませば、いまも竪坑の巻き揚げ機の音がしてくる・・・



(つづく)

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隧道入口とカーブした線路、そして炭がん


旧選炭場の下、第二坑から第一坑にぬけるトンネル

第二坑側の入口を望む

カーブして連なるナローの線路、そして炭がん
半分土に埋もれながら、線路は職場へとのびている

少し荒れ果てた末場の炭鉱敷地
辛うじて解体をまぬがれたトンネルとか細い線路が今ものこる


散乱したようなパイプや赤い消化器格納箱が痛々しい



(つづく)

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▲朝日に輝く万田坑

撮影日:2010年 3月27日
撮影地:熊本県荒尾市 旧万田坑

万田坑 近況報告 ~4/25の一般公開向け整備が進行中~


昨日、昨年の11月以来の万田坑を訪ねました。
しばらくの間、竪坑櫓や巻揚機室の補修工事が行われ、一般公開が中止されていた万田坑。
このほど、巻揚機室の補修工事(建物を鉄材にて補強する)も完了し、再びその煉瓦建築の全貌を見ることができるようになりました。

ところが、予想外のことが起きてました(@_@)
内部での補強工事と単純に考えいましたが、壁面に金属部分がむき出しになっています。(TOPの写真)一部煉瓦で埋められていた窓の部分が元に戻され、窓ガラスなども取り替えているようです。切妻上部の丸窓には、かつて“三井”の文字があしらわれていましたが、それは復元されていません。詳細にみると、他にも多くの変更箇所があるかも知れません。補修を終えた万田坑を眺めながら・・・捲揚機室の竣工当時はどのような姿だったのか?・・・ふと疑問がわきました。
とりあえず、今回の補修工事がこのように一部外観の変更をもって行われたことを報告しておきます。

竪坑や巻揚機室以外にも、万田坑周囲の整備が急ピッチで進んでおりました。
近くの沈澱池の周囲や元職員社宅があった一部の藪が取り払われ、現在芝生の植え付け作業中です。また、旧汽罐場や煙突土台周囲部、それに脱衣場があった部分は整地されて砂がまかれています。
沈澱池もきれいに清掃が行われ、その水面には万田坑が写し出されていました。このように周りの整地や藪が取り払われたことから、今まで目にすることができなかった様な万田坑の光景を見ることができるようになっています。しかし、一方ではあまりにも周囲の整備が進み、かつてのような廃坑としての趣がなくなったと感じる向きもあることでしょう。

私的には、補修工事などでの変更箇所は、必要最小限に留めるべきだと考えます。また、沈澱池や職員住宅など、周囲の環境についても同様だと思います。駐車場や観光客に対応する施設については、少し不便かも知れませんが離れた場所でもいい。そこから歩いてもらって、万田坑を含む炭鉱関連の遺産についての雰囲気も味わってもらう。それくらいの“不便”も、これら近代化遺産の保存と公開には必要だと考える次第です。

さて、4月25日には一般公開が再開されます。
色々なイベントも荒尾市で準備されているようですので、補修工事完了なった万田坑を皆さん訪れてみてはいかがでしょうか。

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それから、地下道に通じる通路もすっきりして、かつてのような姿を取り戻しています。できたら通路として復元し、中にも自由に入れるようにして欲しいと思います。

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▲万田坑とさくら

撮影日:2010年 3月27日
撮影地:熊本県荒尾市 旧万田坑

万田坑 近況報告 その2 ~さくら咲く~


万田坑とさくら並木の風景


“さくら咲く”

春爛漫の光景です


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(つづく)

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▲万田公園のさくら

撮影日:2010年 3月27日
撮影地:熊本県荒尾市 万田公園

万田坑 近況報告 その3 ~万田公園のさくら~


万田坑の南側、
万田炭鉱館横の万田公園のさくらです。

公園の池の周り、万田山(袴岳)を背景に今年もさくらが咲きました。

かつては花見客で賑わい、荒尾の名所の一つとして絵葉書「熊本百景」の一枚にもなっています。


公園にはプールがあり、池の東側には山の神もありました。

今ではプールは埋められ、山の神神社もありません。
プールの外枠、そして神社に至る階段が残っています・・・


万田坑を訪れた際は、周りの社宅跡やこの公園にも足を運んで欲しいものです。


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(つづく)

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ケージの額縁


竪坑から職場に連なる線路上・・・

竪坑の昇降用エレベータとして使われたいた“ケージ”がある
この“ケージ” 定員25人であると聞いた

この狭い箱に25人が乗れるだろうか?


線路がひかれた“ケージ”
内部は緑色の塗装が施されていた


しばし、この“ケージ”に我が身をおさめ、

深さ274mの竪坑を下り行くシーンに思いを馳せる・・・


(つづく)

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