炭鉱電車が走った頃

当ブログは、かつて大牟田・荒尾の街を走っていた“炭鉱電車”をメインにしています。かつての「三池炭鉱専用鉄道」の一部は、閉山後も「三井化学専用鉄道」として運行され、2020年5月まで凸型の古風な電気機関車が活躍しました。“炭鉱電車”以外にも、懐かしい国鉄時代の画像や大牟田・荒尾の近代化遺産を紹介していますので、興味がおありの方はどうぞご覧下さいませm(_ _)m         管理人より  

カテゴリ: 万田百景

イメージ 1

「職場」前のトロッコ達・・・

低い煉瓦造りのプラットホーム状の構造物の上にある「職場」

その低い煉瓦造りのプラットホームに連なる、ナローの朽ちた線路
そして、その朽ちた線路に今も残るトロッコ達・・・

此処では、しばし時間が止まったままです

左の緩やかにカーブした線路は、第二竪坑の坑口につながっています
この「職場」にてメンテナンスを受けた機械が、再び坑内に戻っていったのでした

トロッコの頭上を見上げると、小さいながらもクレーンが備え付けられています
坑内にあったモーターやポンプなどが、ここ「職場」にて修理されたりしたのでしょうか・・・

屋根が落ちた「職場」に入ると、往時の機械や工具が当時のままに朽ち果ててそこにあります


今も、坑内にて使われていたであろう部品や機材が散在する万田坑です



 撮影日:2008年11月 3日
 撮影地:万田坑跡

イメージ 1

撮影日:2009年 1月 2日 早朝
撮影地:万田坑跡

 『万田◇百景』を開設いたします

冬の夜明け前の“万田坑”は魅力的です

冷たく冴えわたる空気と、まだ明けやらぬ空の碧
門前に大きくそびえ立つ 二本のせんだんの木

その背後にそびえ立つ万田第二竪坑

まだ街灯の明かりがともる頃


静かに夜が明けていきます




本日から、新書庫『万田◇百景』を開設いたします。
「新みいけ時報」から引き続いてご覧下さい。

次回からは、前回のつづき・・・
「万田坑 2008.11.3 (6)」となります



 

イメージ 1

石積の倉庫と線路

現在の万田坑正門を入ると、すぐにナローの線路が出迎えてくれます。
その北側に向かう線路の先は・・・

火気厳禁の倉庫(たぶん・・・火薬もしくは油倉庫)と「職場」です。
細々とつづく線路と、何年間もの間動いたことがないであろう簡易ポイントに眺め入ります。

鉄道好きの私にとって、この線路の風景は万田坑内のお気に入りポイントの一つです。
閉山後ほとんど変化することなく、ここに佇んでいます。

さて、今月から来年まで万田坑の補修工事が始まることがアナウンスされました。
http://ameblo.jp/tankou-funclub/day-20090111.html

★本日(1月18日)は、ファンクラブによる補修工事前の特別見学会が催されています。

竪坑の錆び、巻揚機室の蔦や草、それに崩壊した職場の屋根などなど・・・
傷んでいる場所や気になる箇所がたくさん思いうかびます。

世界遺産暫定リスト入りの結果を受けてのこともあるのでしょう。
1997(平成9)年3月閉山後、12年目にして初めての大がかりな補修工事となります。
九州、荒尾・大牟田の今日のお天気は今一つのようですが、補修工事前の万田坑を訪れてみるのも一興かと思います。

しばらくは、見学ができなくなる万田坑です。



 撮影日:2008年11月 3日
 撮影地:万田坑跡

イメージ 1

事務所からの眺め その1

「職場」近辺を散策した後は・・・
かつて扇風機室として利用されていた事務所に入ります

事務所1Fでは、明治期の古い写真が展示してありしばし釘付け
三井鉱山所有の写真でしょうか、大変貴重な写真の複写が展示さていました

お次は、木造のけっこう急な階段をのぼり2Fへ
今しがたじっくりと散策してきた「職場」を窓越しに眺めます

屋根が落ちてどれくらい経つのでしょうか?

ここから眺めていると・・・
その無惨な姿とともに、変にうら寂しげな万田坑内の敷地が見渡せます
整理されたような? されてないような? ころがる朽ち果てたパイプなど機材類

手前の植木が、万田坑の今を象徴しているかのように思えます


最近、修復工事が始まった万田坑
竪坑櫓や巻揚機室中心の修復となるのでしょう

竪坑櫓や巻揚機室以外の建造物もまた、一年後にはどのようになっているのか気がかりなことです




 撮影日:2008年11月 3日
 撮影地:万田坑跡

イメージ 1

事務所からの眺め その2

「職場」近辺を散策した後は
かつて扇風機室として利用されていた事務所に入り、
木造のけっこう急な階段をのぼり2Fへ・・・のつづきです。

北側の「職場」から目をうつし、東側の窓から外を眺めます。
ちょうど、先に報告した石造りの危険庫が見下ろせます。

その背後は壁になっていて、桜の木が植わってます。
写真の一番左側に、ちょっとだけ顔を出している通路らしきものの先には、
かつて脱衣場がありました。

「万田坑ファン倶楽部」のパンフによると・・・
かつては脱衣場から事務所・安全燈室に向かう通路あたりには桜並木があったとのこと。

危険庫背後の桜は、その名残かはたまた後に植えられた桜であるのか分かりませんが、
桜咲く春に、またここ“万田坑”を訪れてみたいものです。


修復工事が始まった竪坑櫓の見物もかねて、訪ねてみます。




 撮影日:2008年11月 3日
 撮影地:万田坑跡

イメージ 1

事務所裏から見上げる第二竪坑櫓

かつて扇風機室として利用されていた事務所の裏側・・・

坑木が浮かぶ水槽、安全燈室・浴室の建物の先に
第二竪坑櫓がそびえ立つ

幾重にも重なる煉瓦建築と屋根の先に見上げる竪坑櫓

その芸術的とも言える明治の建造物に
今に連なる歴史の重みと、美を感じ入る



ふと事務所の壁に目がいく


三角の模様が幾重にか描かれている
手前の水槽がある場所には、かつて安全燈室と事務所があった

その痕跡が、煉瓦の壁に残っているのであった


(つづく)

イメージ 1

水槽に浮かぶ 第二竪坑櫓

かつて扇風機室として利用されていた事務所の裏側

坑木が浮かぶ水槽に目を落とすと・・・

さざ波一つない水面には、くっきりと第二竪坑櫓が浮かびあがる
水面上に眺め入る第二竪坑櫓

いつもと同じような、でも何かが違うような(@_@)

煉瓦づくりの事務所とともに、反転された姿に興味津々


ひっくり返って眺めたらいいのかしら?

錆び付いた竪坑櫓も、水面上では美しい


竪坑櫓の矢弦が動いていたならば、その姿をこの水面に落としたことだろう

そんな、生きた竪坑櫓を見たかった




(つづく)

イメージ 1

浴室天井の碧


扇風機室(事務所)の南側、
閉山時の安全燈室と浴室の煉瓦建物が連なる

全盛期の大規模な浴室と比べると、本当に小さな浴室

天井を仰ぐと、美しく映える碧
換気窓から木漏れ日がもれ落ちてくる



閉山後十年以上経過し、暗くそして多少荒れ果てた浴室

その浴室の天井を見上げてた時の、目に飛び込んできた碧
地底から地上に戻り、この浴槽の天井を仰いだときの坑夫は何思う・・・


そんな事など思いを巡らし、しばし浴室の天井を見上げる


(つづく)

イメージ 1

浴室 ~半円形の窓~


扇風機室(事務所)の南側、
閉山時の安全燈室と浴室の煉瓦建物が連なる

全盛期の大規模な浴室と比べると、本当に小さな浴室

その浴室側面にある半円形の窓


浴室に足を踏み入れたとたんにに、吸い寄せられた半円形の窓

明治時代の煉瓦建築の風情がかいま見られる

今では、木々の繁茂する外の風景と、蔦のからまりをあらわす半円形の窓



幾多の用途変更を経てきたこの建物

煉瓦とこの窓だけは、いつまでたっても昔のままではあるまいか


この煉瓦建築の歴史を照らしてきた半円形の窓である




(つづく)

イメージ 1

安 全 燈 室


扇風機室(事務所)の南側、
閉山時の安全燈室と浴室の煉瓦建物が連なる

浴室の隣は、閉山時には安全燈室であったようだ
写真には写っていないが、右側に安全燈(ヘッドライト)の充電器が残っている

この狭い部屋の用途は何度も変更になったようで、
壁面にはその歴史を物語るように、様々な痕跡が残されている


ただ、この建物のすべての歴史を知るものは、
二つある、この部屋の半円形の窓であろうか・・・


万田坑の建物の中でも、最も古いものの一つとされるこの部屋


半円形の窓と、数々の歴史を経てきたであろう壁面が

見るものに、何をか語たりかけてくるように感じられる・・・




(つづく)

↑このページのトップヘ