▲「産業遺産を推薦」 ~本日の西日本新聞 朝刊一面より~
本日(9/14)の西日本新聞一面トップにこの見出しが(^O^)
2015年夏の世界文化遺産登録を目指して、文化庁が推薦する「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)と、内閣官房の有識者会議が推薦する「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、長崎など8県)2候補が競合していましたが、13日に政府は産業遺産をユネスコの世界文化遺産に推薦する方針を固めたとのこと
管理人は、かつてより三池炭鉱関連の産業遺産群を高く評価してきました。
万田・宮原坑跡はもちろんのこと、稼働遺産である三池港や鉄道関連の遺産については特に思い入れを強くもっております。
今回の産業遺産群には、この三池港だけではなく長崎の造船所や北九州の製鉄所
の一部が現役の稼働遺産としてノミネートされています。シリアルノミネートというスタイルも日本からの推薦では初めてのことですが、この稼働遺産を含むという点がまた重要なポイントです。これまでの、静的な歴史・文化的遺産とは大きな違いがあります。
これまでの日本では、近代の産業遺産についてはあまり評価が高いとは言えなかったと思います。しかし、イギリスの産業革命から遅れること100年あまり・・・明治期にヨーロッパからもたらされた機械や技術をいち早く自国のものとし、日本は急速な工業化を進展させ現在の地位を獲得してきました。その原動力となった一つが、三池炭鉱の石炭であることは言うまでもない事実でしょう。そこでこの産業遺産がすごいところは、100年前の機械や施設が今も現役で稼働しているということなのです。
三池炭鉱を例とすると、三池港がそれに当たります。港の形状はもちろん、要である閘門もほぼ100年前の姿のまま現在も使われています。鉄道については、残念ながらそのほとんどが廃線となりましたが、いまだ一部が運行中です。(残存路線や機関車は、世界遺産の対象ではありませんが)
産業革命の本家本元のイギリスにおいてもすでに見ることができないような、100年前の機械や施設がこの日本でいまだ現役で稼働していることのすごさ!(^^)!
このことは、世界に誇れる日本の産業革命遺産なのです。地元の人々にとっては、ごく当たり前であったり、もしくは日頃目にすることがない機械や施設であるかもしれません。世界遺産への推薦を契機として、ぜひ地元の方々をはじめ、日本の多くの方々に、その価値を知っていただきたいと思います。そして、それぞれの地域の誇りとなるよう願っています。
◆◇当ブログ内、世界遺産登録関係の記事はこちら◇◆
①専用鉄道敷跡が国史跡に http://blogs.yahoo.co.jp/ed731003/40237054.html
②稼働遺産も世界遺産に http://blogs.yahoo.co.jp/ed731003/39425964.html
③大牟田市世界遺産登録推進セミナー2010 http://blogs.yahoo.co.jp/ed731003/36761601.html
④宮原坑・万田坑が世界遺産暫定一覧表に記載される
⑤大牟田の産業遺産保存を考える http://blogs.yahoo.co.jp/ed731003/11488849.html