炭鉱電車が走った頃

当ブログは、かつて大牟田・荒尾の街を走っていた“炭鉱電車”をメインにしています。かつての「三池炭鉱専用鉄道」の一部は、閉山後も「三井化学専用鉄道」として運行され、2020年5月まで凸型の古風な電気機関車が活躍しました。“炭鉱電車”以外にも、懐かしい国鉄時代の画像や大牟田・荒尾の近代化遺産を紹介していますので、興味がおありの方はどうぞご覧下さいませm(_ _)m         管理人より  

カテゴリ: 炭鉱電車保存会

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▲機関庫の9号電車~動けなくとも車体は常に輝いていた~
 2020.2.29 機関庫にて許可を得て撮影

進む線路の復旧工事
前回は9号電車復活の朗報をお伝えしましたが、今回は宮浦の線路復旧状況の報告です。まずは被害が大きかった大牟田川がヤードを横切っている箇所から~以下の写真をご覧いただけたらその復旧状況は一目瞭然でしょう・・・
倒れたフェンスは既に復旧済みでしたが、さらに水流でえぐられていたバラスト部分も工事が施され復旧しています。機関庫につづく線路には、真新しいバラストがたっぷりと補充されています。
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次は、三坑町3号踏切近辺の状況をお伝えしましょう。
ここも、水流でえぐられ傾いていた門扉中央のコンクリート台座が修復され、やっと門扉が正常に閉じられる状況になりました。もちろん、線路のバラストも補充されしっかりと復旧しています。踏切の左右にある門扉の様子を写真にて確認しましょう。まずは、宮浦駅舎側、次に七浦側となります。
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これできちんと閉まらない状況になっていた門扉が復活しました。踏切のアスファルト舗装の補修は、早い段階で施されていました。写真左の線路脇には、新しいバラストが補充されています。電車の交換の際には、この線路を使って行われます。いわば、廃止後最も重要な線路と言えるかもしれません。9号電車復活の際には、水害後ヤードにて手つかずであった19号電車、11号電車の救出に向かうことになると思われます。
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なお、14日までの予定で、これまで三池鉄道の保線を担ってきた江崎工業さんが、一連の復旧作業に従事されています。保存会の有志が、総会の折りに飲料水の差し入れをさせていただた次第です。
電車の運行を担当されてきた三池港物流鉄道課、長い間三池鉄道の保線を担当されてきた江崎工業、そして鉄道の所有者である三井化学の皆さんの、炭鉱電車復旧に向けた作業にエールを送ります。炭鉱電車復活のその日を、楽しみに待っております。


(つづく)




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🔶炭鉱電車最新情報〜8/11
先の水害によって動けなくなった全ての電車の内、9号電車がモーターの修理を施し復活する予定です❗️
皆様、未曾有の水害から復活を遂げるであろう炭鉱電車に、エールをお送り下さいませ‼️この復活が、水害被害を受けた大牟田市民の皆様への、それこそエールとなる事を願います〜炭鉱電車よ永遠なれ😊 

写真は、機関庫の9号電車
2020.2.29 許可を得て撮影

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▲一見すると何の変化も見られないように感じる宮浦ヤード・・・
  7月11日(土)携帯にて撮影(以下も同じ)


宮浦ヤード、機関庫が豪雨により浸水被害・・・
去る7月6日(月)に大牟田市を襲った豪雨によって、炭鉱電車も多大な被害を受けました。豪雨後5日後の7月11日(月)に現地を訪れましたので、ここに報告を致します。なお、今日(7/25)現在においても一部の電車の被災状況の詳細は不明であることを付け加えておきます。

まずは、宮浦ヤードの状況です。写真では少しわかりにくいですが、ヤードを囲むフェンスがおおよそ20mほどに渡って横倒しになっています。宮浦駅南側でヤード下を横切っていた大牟田川が氾濫し、相当な勢いをもってヤードを囲むフェンスに激突したと思われます。(写真右手奥で大牟田川がヤードを横切っている) 一部線路の道床のバラストも流されており、フェンスも根本からなぎ倒されている状況です。当日の状況を聞いた所、ヤードが川のようになってあふれた水が流れていたとのことでした。なお、宮浦駅舎前の市道は現在も通行禁止となっておりますので、西側の宮浦石炭記念公園側から俯瞰しての報告となっていることを申し添えておきます。
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▲写真にあるポイントも冠水し電動での操作不能(手動にて可)

つづいて機関庫方面ですが、まずは機関庫横の三坑町3号踏切の様子からお伝えします。七浦方面から、かつての専用鉄道線路敷きに沿って大牟田川が流れていますが、この踏切の直ぐ脇を大牟田川が流れています。もちろん、ここでも大牟田川が氾濫し、閉じてあったヤードゲートの中央留め金台座部分をなぎ倒している状況です。ここでも道床がえぐられ、一部バラストが流失しています。フェンス脇を見ると、流された木ぎれが付着していますが、当時の浸水状況をかいま見ることができます。この場所での水深は優に5,60cmは越えていたと思われます。一部踏切内のアスファルトが剥がれ散乱していました。水流の激しさを物語っています。

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▲幸い、線路のゆがみなどの大きな被害は無い模様です・・・


もう一枚、上の写真の右側のフェンスの状態です。ここにも木ぎれが付着していて、当時の様子を物語っています。ヤードゲートの支柱部分に影響はなく、現在は閉じられた状態となっています。写真右手の市道は、フェンス倒壊のためにこの先通行禁止となっています。
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▲フェンスにビッシリと細かい木ぎれなどが張り付いている・・・

機関庫脇を見てみましょう。機関庫まわりのフェンスにも、同様に木ぎれなどが付着しています。その高さから判断すると、車庫内の電車もかなり高さまで冠水したと思われます。電車には、20t機で2個、45t機で4個の主電動機(モーター)が取り付けられていますが、残念ながらそこまで水没した可能性が大きいと思われます。水害時には、機関庫内には20t機の9号と12号、45t機の18号がいました。電車と共に庫内の諸設備、部品なども被害を受けたと思われます。もちろん、ピット内には水が溜まり、水が引いた後も排水が必要であったことでしょう。モーターが水没したと仮定すると、取り外しての整備作業が必要ですので、それなりの日数(数ヶ月?)がかかることになることが予想されます。さもなくば、全車とも修理されることなく廃車となる可能性もあります。
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▲ここでもフェンスにビッシリと細かい木ぎれなどが張り付く・・・

豪雨被害後、今日現在までに三井化学より被害状況等に関した公式発表はありませんが、9月末に予定されていたラストランのイベントに大きな影響が出ることは確実な状況と思われます。宮浦駅舎前の20t11号と45t19号の冠水状況は、機関庫よりは幾分か水かさも低かったと思われますので、少しの期待がもてるかもしれません。TOPの写真などから見る限りは、影響は無さそうにも思えますが、未だその詳細な被害状況は不明です。願わくば、この2両の電車の被害が少なく、動ける状態であることを願わずにはおれません。

先にも報告していたように、5月7日の最終運行後も、4両(車軸にヒビが見つかっている9号を除く)の電車が稼働できる状態を維持されていた炭鉱電車です。9月のラストランイベント時には、これらの電車達の動く姿を目にすることができることになるはずでした。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって一度は延期を余儀なくされたラストランイベント・・・。ここに来て、新たな試練が炭鉱電車にかせられることになってしまいました。電車の詳細な状況が不明な中ですが、ラストランのイベントは予定通り開催され、1両だけでもいいので豪雨災害から立ち直った炭鉱電車の動く姿を目にしたいと願います。炭鉱電車の甦った姿が、豪雨災害に遭われた大牟田市民の方々にも希望を与えることになるのではないかと信じます。

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追伸:今後も、詳細な状況が分かり次第お伝えしたいと思います。また、炭鉱電車保存会としては、少しでも可能性がある限り、炭鉱電車の動態保存をめざして活動を継続していく所存です。




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▲生きてます!炭鉱電車③~三井化学専用鉄道~
撮影地:三井化学専用鉄道 宮浦
撮影日:2020.6.22

5/7(木)で運行を終えた炭鉱電車ですが・・・
まだ生きてます その3
最低でも、9月頃に行われる三井化学主催のラストランイベントまでは、動ける状態で保たれるものと思われます(^O^)

この日も、宮浦駅構内にて18号電車による錆取り運転が行われました
久々に快晴の大牟田(*^_^*)
ローアングル&煉瓦煙突コラボにて18号電車をねらいます
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(つづく)

https://www.shosen.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=3891436EC7F0BE4-0B6B-45F8-ABAA-CA3D09EFD578
予約販売開始!
『三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車』


※2021年5月をもちまして、書泉での販売を終了いたしました。購入いただいた方々に感謝いたします。なお、引き続き東京ではモデルスイモン各店にて販売(通販あり)しておりますの、どうぞご利用くださいますようご案内いたします。

『三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車』が、本日(5/29)から書泉にて予約販売を開始しました。大牟田・荒尾地区以外の方々で、購入を予定されている方はどうぞご利用くださいませ。
なお、ネコポスが利用可ですので、料金もお安く(308円)発送可能となっております。

→表紙写真の上にあるリンク先をクリックしていただくと、書泉の予約販売ページに行けます。



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◆『三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車』を発行!!

この度、『三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車』を自費出版する運びとなりましたので、皆様にお知らせいたします。発売は、6月中旬頃を予定しています。大牟田市内の書店などにて購入できるように現在手配中です。また、東京は書泉グランデに置いていただくようお願いする予定にしております。一部内容を紹介して、発行のお知らせと致します。価格は、税込みで1,100円です。また、大きさはB5判でフルカラーとなっています。みらい広告出版株式会社からの発行です。

※2021年5月をもちまして、書泉での販売を終了いたしました。購入いただいた方々に感謝いたします。なお、引き続き東京ではモデルスイモン各店にて販売(通販あり)しておりますの、どうぞご利用くださいますようご案内いたします。

“表紙”について
デザイナーさんから、凝った表紙を作成していただきました(*^_^*)
機関車の三池マルーン色とリベット、そしてナンバープレートを模したデザインなどなど・・・。
わが鉄道が若手に引き継がれていることから、しばらく安泰かと思っていた管理人・・・。表紙は、その若い彼らの運転と操車係の絵にさせていただき、炭鉱電車の生き残りを託しました。


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「目次」です。
最初の「炭鉱電車アルバム」は、私が撮影したアルバムとなっています。
写真集ではないので、おまけみたいなものです。もっと立派な、見応えある写真集の発売を期待します。メインは「写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車」です。この部分が、2月の講演会でお話しした部分となります。最後の機関車一覧は、少しですがマニア的にはお役に立つかもしれません。意外と、SLも含めた三池の機関車一覧は見かけません。できることなら、この一覧にあるすべての機関車の写真と車歴・性能などの一覧を付けたいところですが、今回はそこまでまとめることはできませんでした。どなたか、詳しい機関車一覧の作成お願いします。総ページ数113ページとなります。

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「炭鉱電車アルバム」です。
私が撮影した炭鉱電車の写真コーナー見開きページサンプルです。
廃止間際の撮影を中心に掲載いたしました。もちろん、過去の通勤電車なども掲載しています。先にも述べましたが、写真については、三池炭鉱が閉山する以前のものも含め、私よりも素晴らしい撮影をしておられる方々が沢山いらっしゃいます。今後、炭鉱電車単独の写真集が出版されることを望みます。

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「写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車」
メインの「写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車」のサンプルです。全部で60ページほどあります。歴史的に貴重な写真が見ものです。大牟田・荒尾市民の方々に読んで欲しいとの思いから、できるだけ分かりやすい解説を添えたつもりです。うしやんさん(HP「炭都の鉄道」主宰)と大牟田市石炭産業科学館の多大なご協力を得て、貴重な絵葉書や写真を掲載することができました。また、三池鉄道で働いていらした方が撮影された初公開の写真、それからシーメンス製20t電車の図面(三井文庫所蔵)も貴重です。

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「三池炭鉱専用鉄道の概要」です。
巻末に、やや?マニアックな内容を掲載しました。
サンプルの「三池炭鉱専用鉄道の概要」は、以前に弦書房から発行された『筑後の近代化遺産』で私が担当した内容に付加修正した内容です。ここを一読していただけると、先の60枚ほどの講演会の内容を見なくても、三池鉄道の概略を把握することができます。また、「日本最古の電気機関車に関する覚え書き」については、かなり不確かな内容が含まれます。より詳しい方々からのご助言、ご示唆を賜りたく思います。炭鉱電車の歴史的、機械的価値が伝わればとの思いで載せました。最後に、三池鉄道に在籍したSLも含めた機関車一覧をおまけで付けました。


以上、簡単ですが書籍の内容紹介でした。少しでも多くの方々に手にしていただけると、著者としては嬉しく思います。なお、この書籍は「炭鉱電車保存会」代表としての著書とし、保存会の紹介も掲載させていただいたことを申し添えておきます。

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▲平井駅の炭鉱電車 撮影日:1978年2月12日





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「炭鉱電車保存会」の紹介

 

「炭鉱電車保存会」は、下記のような目的をもって、2020年4月に設立されました。現時点(2020年5月10日)では、炭鉱電車の保存については未定となっています。今後の保存に向け、「炭鉱電車保存会」としても、積極的に関わりたいと考えている次第です。保存会としては、将来的に炭鉱電車の動態保存を目指したいとの思いがあります。炭鉱電車の保存活動に興味がある方々の積極的な入会をお待ちしています。

  「炭鉱電車保存会」 代表 藤原義弘
 

【会員登録について】

 次の4項目を、下記アドレスまで送信ください。(当ブログPCモードTOP右下のメッセージからも送信できます)送信内容については、代表である藤原が責任を持って管理させていただき、保存会の活動以外では利用しません。また、会費は現時点ではありません。

 ①氏名 ②住所 ③電話番号 ④メールアドレス

※送信先:ed731002@yahoo.co.jp(代表:藤原アドレス)

 

なお、Facebookグループ「生きとる“炭鉱電車”を残したか」にて、保存会の活動などの紹介を随時行っていますのでご覧下さい。


◆「炭鉱電車保存会」の目的

128年もの歴史を誇る三池炭鉱専用鉄道(通称:三池鉄道、三井化学専用鉄道を含む)と、この鉄道で活躍した電気機関車(通称:炭鉱電車)を後世に残すことを目的とします。最終的な目標は、「生きとる炭鉱電車を残したか」のスローガンのもと、炭鉱電車の動態保存をめざします。また、炭鉱電車並びに三池鉄道に関する設備はもとより資料などの収集を行い、できる限りの保存をめざします。同時に、これらの保存資料などをもとに、炭鉱電車並びに三池鉄道に関する調査、研究を行います。

◆2020年10月28日に『NPO法人炭鉱電車保存会』として登記されました。






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