
▲黒島天主堂 ◇ 佐世保市黒島をさるく (1) 2013.11.10
縁あって、11月に長崎県佐世保市の黒島に行ってきました
そこで3回ほどに分けて、黒島をさるくプチ旅のご報告をいたします(^-^)
黒島は、長崎県北部の北松浦半島西沖合にある佐世保市の離島でございます。
面積は約5.3㎢、周囲約12.5㎞で人口は500人ほど
何が有名かというと~
TOPの写真にある教会でしょう(*^_^*)
今年、大牟田の三池炭鉱を含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」と「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の2つが、共に2015年夏の世界文化遺産登録を目指して競っていたことは記憶に新しいことです。黒島天主堂は、もちろんこの「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の一部に含まれております
さて、黒島に行くには、相浦港(最寄り駅は松浦鉄道相浦駅)からフェリーに乗り、
途中高島を経由して、所要時間約50分の船旅でございます。
11月10日は、あいにくの曇天&小雨の朝でしたが、自宅より高速道路を利用して相浦港に到着(^O^)早速、船に乗り込みました

▲車は駐車場に駐め、いざニューフェリー“くろしま”に乗船~運賃は往復で1,330円なり
ここで、長崎や黒島のキリスト教史を繙きたいところですが~、ずいぶんと長いことになりそうなので今回は割愛いたします(というか、管理人には解説は無理(>_<)
興味のある方は、HP「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」にて学習して下さいな。
黒島港に着いてからは、港のすぐ南側の高台を周回する道路を目指します。
今回はガイド付きのツアーに参加したのですが、到着するやいなや手作りの饅頭をいただきました(*^_^*)
お饅頭の名は~「ふくれまんじゅう」
ふっくらした生地の中に、手作りあんこがみっちりと詰まっていて、とっても美味しかったですよ。“サツマサンキライ”の葉に包まれた「ふくれまんじゅう」をほお張りながら、のんびりと黒島をさるきます
めったに車は通ることはないし、まるで歩行者天国でございました!(^^)!

▲道路からの眺めです~小島は左が伊島、右が幸ノ島、奥にうっすらと見えるは平戸島なり

▲“サツマサンキライ”の葉に包まれた、手作りの「ふくれまんじゅう」は素朴で美味でした!(^^)!
しばらく歩いてやってきたのは島の南側~
蕨(わらべ)集落です。
黒島には、本村(ほんむら)・東堂平(とうどうびら)・古里(ふるさと)・日数(ひかず)・根屋(ねや)・名切(なきり)・田代(たしろ)、そして蕨(わらべ)の計8集落があります。その内、港近くの本村と島の北東端にある古里は仏教徒の方々が多く、その他の6つの集落にすむ方々はほとんどがカトリックであるとのこと
このカトリックの6つの集落は、黒島にバラバラに散らばって位置しています。それには理由がありまして、江戸時代の禁教令下の寛政12(1800)年頃、迫害と食料難から逃げるために「潜伏キリシタン」*が黒島に移ってきた時に、彼らはむかしからの住人である仏教徒の集落に遠慮して、村外れの荒れ地に住みつき、開拓をして集落を形成していったとのこと・・・
そんな集落の一つが、蕨(わらべ)の集落です(^o^)
*時代によって状況が違うので、研究者の間では次のように使い分けがされているようです。
・キリスト教伝来(1549)~徳川禁教令(1614頃)‥‥キリシタン
・徳川禁教令下の潜伏時代(1614~1873)‥‥潜伏キリシタン
・キリスト教解禁後、カトリックに復帰した者‥‥復活キリシタン
・キリスト教解禁後、カトリックに復帰せず、潜伏時代の信仰を守り通した者‥‥かくれキリシタン
・徳川禁教令下の潜伏時代(1614~1873)‥‥潜伏キリシタン
・キリスト教解禁後、カトリックに復帰した者‥‥復活キリシタン
・キリスト教解禁後、カトリックに復帰せず、潜伏時代の信仰を守り通した者‥‥かくれキリシタン
⇒一般的には「潜伏キリシタン」と「かくれキリシタン」をまとめて‘隠れキリシタン’とされていますね(^-^)

▲蕨(わらべ)集落~実は集落といっても一軒一軒は離れていて散村のような感じです(^O^)

▲防風林のアコウの木の内側に年老いたヤギの姿を見つけたぞ~

▲蕨(わらべ)集落は、このような切り立った断崖に防風林に守られてありました(^-^)
ご覧になったように、海・防風林・家屋・畑の順番に海岸線から順番に配置されていて、開墾の様子が歴史的景観として残っているところが面白い!(^^)!
しかも、移住してきた方々(主に西彼杵半島の外海地区などから渡ってきた人が多いらしい)には分家の習慣があったらしく、次々と家々が散らばっていって、現在の集落を形成してきたらしい
黒島は、単に天主堂を見るだけでなく、景観にもいろいろな歴史が読めて面白いところです。また、暖流である対馬海流の影響で温暖であり、植生的には亜熱帯系の植物が多く自生しているところも面白い(^_^)v
そこで、先ほど紹介した“サツマサンキライ”~漢字で書くと“薩摩山帰来“でして、分布地は九州南部から沖縄でござーい
聞くとlこによると~黒島が“サツマサンキライ”の北限らしい(^O^)
そこで“サツマサンキライ”~、さるく道すがら見つけましたよ“サツマサンキライ”

▲名の由来は~薩摩地方に多い“サンキライ“(サルトリイバラの別名)が由来らしい
蕨(わらべ)集落を後にした管理人~
こんな瓦を目にしながら、天主堂にだんだん近づいていったのでした(*^_^*)
というところで、今回はお開きでございます。
続きは、またその内に・・・

(つづく)