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▲1960年 子ども達も一緒に “団結がんばろう”


NHKドラマ『見知らぬわが町』 ◇視聴記◇ その4 

NHK福岡放送局開局80周年記念ドラマ 『見知らぬわが町』 視聴記◇その4


息を凝らしてじ~っと見たドラマ
三池闘争の中から生まれた“団結がんばろう”を思い浮かべていた・・・

“団結がんばろう”

このブログをご覧になっている皆さん、“団結がんばろう” ご存じでしょうか?
若い方には何のことか分からないでしょうから、ちょっとだけ解説を~

☆“団結がんばろう” の手順は・・・
   ①左手を腰に当て、右手で握りこぶしを作る
   ②壇上のリーダーの「団結、がんばろう!」の声にあわせて~
    「がんばろー!」を3回繰り返す
   ③「がんばろー!」のかけ声と同時に、右こぶしを斜め前方へ突き上げる
TOPの写真や、前回TOPにある本の表紙を見ていただければ、おおよその感じは分かってもらえるでしょう。
ドラマの中では、この “団結がんばろう” の場面は出てきませんでしたが、三池闘争のデモの場面が映し出されていました。そして “団結がんばろう” とともに思い浮かべる歌はもちろん “がんばろう” 

☆がんばろう☆
 作詞:森田ヤエ子
 作曲:荒木 栄

   1.がんばろう 突き上げる空に
     くろがねの男の こぶしがある
     もえあがる女の こぶしがある
     闘いはここから 闘いは今から

   2.がんばろう 突き上げる空に
     輪をつなぐ仲間の こぶしがある
     おしよせる仲間の こぶしがある
     闘いはここから 闘いは今から

   3.がんばろう 突き上げる空に
     国のうちそとの こぶしがある
     勝どきをよぶ こぶしは一つ
     闘いはここから 闘いは今から オゥー
  

▼作曲者の荒木 栄についてはこちら↓↓↓
http://www.utagoekissa.com/ARAKIindex.html



私が所属する組合の定期総会の最後は、もちろん “団結がんばろう” でございます。
いまでは組合だけでなく、党派を超えてこの “団結がんばろう” が唱和される場面を見かけますが、そのルーツを辿ると三池に行き着きます。

ところで、ドラマにて主人公の父親が小学校の頃 「ガス患(一酸化炭素中毒患者)の子ども」 と言われいじめにあった事が語られていましたが、炭塵爆発といい三池闘争といい、大人だけでなく子どもの世界までも巻き込んだ熾烈な状況がありました。
三池闘争当時、中学生がこんな作文を残しています。

 そんなに職員になりたいの
 今、第二にはいっていなさる人は労働者をうらぎってまで、職員になりたいのだろうか。第一が勝っても、職場ではにらみあうと思う。そして、もし会社が勝ったとしたら第二組合の人達も首を切られると思う。そうしたら、第二にはいった人はなんにもならないから、はじめから労働者をうらぎってまで第二にはいらなくてもいいのに。
      ◇新読書社編集部編 『三池の子ども ~闘いの中から生まれた作文集~』 1960年発行 より


会社側の合理化案そして指名解雇に始まり、ついには組合の分裂を経て組合側の敗北に終わった三池闘争。その闘争は、子ども達の世界にも大きな影響を与えたのでした。そして、この総労働対総資本の闘いと呼ばれた三池争議のすぐ後、またしても大牟田の町を揺るがす出来事が起きたことは前回述べた通りであります。


それにしても、いまだ受け継がれる “団結がんばろう” には、人々の心を一つにする力があり、今なお元気をもらうように感じるのは、50歳を越えた年月がなせるものなのでしょうか・・・。



(つづく)