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“東京駅発車◇食堂車”

18:00丁度 東京駅13番線ホーム

日豊本線経由 西鹿児島行き 寝台特急 “富士”号
が静かにホームを離れていく

編成の中程、食堂車の5号車が目の前をゆっくりと通過

営業担当は、日食門司
3名のスタッフが発車のあいだ通路に佇み、流れゆくホームをみつめる


テーブルには、一輪挿しの花が飾られ
黄色カバーのメニューが、来客を待つ

もうじき、車内には食堂車からの案内アナウンスが流れるはずだ


ブルートレインの長旅の楽しみ、そして贅沢は食堂車での夕食
漆黒の闇夜に、流れゆく街の瞬きをさかなに飲む一杯のビール

朝日に照らされた瀬戸内の海をかすかに眺めながら
洋定食にコーヒーをすする朝食のひととき・・・



そんな夜行列車の楽しみ方も、すでに遥か彼方の語りぐさとなってしまった



(つづく)