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「職場」と第二竪坑櫓

守衛の建物があったところから北側を眺めます。
桜並木の向こうに、「職場」の建物が見えます。

「職場」とは、万田坑内の機械や設備を修理していた建物です。
坑口からはナローの線路が通じていました。
その「職場」も屋根が落ちてしまって、無惨な姿に変わり果てています。

中に入ってみると、当時の工作機械や部品などが雨ざらしの状態・・・
「ここ万田坑は廃墟ではない」という思いがわいてきました。

11月2日のシンポジウムにて、熊谷監督が以下のようなことを語気を強めて発言されていたことを思い出します。(言葉は少し違っているかもしれませんが、内容は同じようなことであったと思います)

『万田坑に行くたびに、敷地内にあった電線などがなくなっているのよね。先日はロケがあったらしいけど、壁にロケ用の用具が貼り付けてたままであったり、ホントにひどいんです・・・』

実は私も今回の訪問では、廃墟趣味的な訪問者も見かけましたし(廃墟趣味が悪いということではありません)、ころがっている器具(小さいものでしたが)を触って移動させたりするような場面にも出くわしました。
公開はいいことですが、世界遺産入りを目指すにはこれでいいのだろうか? と疑問に感じた次第です。

とにかく、万田坑・宮原坑はとても魅力のある建造物であるし、またそこには様々な歴史が刻み込まれています。事故や囚人労働などのいわば負の歴史がある一方、明治時代の技術の粋を集めた機械類の跡も存在します。
これらの歴史を知った上で、ぜひ万田坑・宮原坑を訪れて欲しいと思います。



 撮影日:2008年11月 3日
 撮影地:万田坑跡