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撮影日:2008.9.20
撮影地:宮原坑付近の鉄道敷跡

「鉄道敷取得の可能性」示唆 大牟田市長が会見

昨日(11/6)の有明新報によると・・・
大牟田市の古賀道雄市長は五日の定例記者会見で金融危機の同市への影響、安心安全のまちづくり、宮原坑などの世界遺産暫定リスト入りに伴う同市の具体的な対応などについて述べた。世界遺産遺産登録を果たすためには「三井鉱山からの無償譲渡受け入れを断った三池鉄道敷もあらためて考え方を整理する必要があるかもしれない」と近い将来の取得の可能性を示唆した。 
先日行われた大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ主催のシンポジウム『炭都の風景を市民の手で伝えよう』には、来賓として大牟田市の古賀道雄市長も参加され、宮原坑などの世界遺産暫定リスト入りに関連した意見に耳をかたむけてられていました。
パネリストの一人であった西村幸夫氏(東京大学大学院教授)は、イギリスのブレナボン産業景観や石見銀山の例をあげながら 「システムとして産業遺産を保存し文化と捉える」 ということの重要性を述べられていました。
単に宮原坑などの坑口だけではなく、三池港や工場・炭住、そしてそれらを結んでいた鉄道網などを包括して産業遺産を捉えることが必要だということです。
これらの論議を聞きながら、わが三池炭鉱専用鉄道の重要性をいまさらながらに感じた次第です。

そもそも、竪坑の開鑿に伴う湧水問題と採掘した石炭の搬出については、三池炭鉱にとって大きな課題でした。これらの課題に果敢に取り組んだのが、団琢磨を中心とした技術者達であったことは、書庫「三池築港百話」などにて取り上げてきたところです。

これら三池炭鉱のシステム全般を見渡したときに、鉄道と港が果たした役割は非常に大きかったと言えます。
世界遺産暫定リスト入りに際して、あらためて先のシンポジウムの副題 『いま・ここからつむぐ港・鉄道敷のまちづくり』 の意味することの重要性が再認識される新聞記事でありました。

ぜひとも、一度は大牟田市が断った「三池鉄道敷の三井鉱山からの無償譲渡」の再考がなされることを期待したいと思います。