◆三池炭鉱 〈明治8年~10年〉 年譜抄録

1875(明治 8)年 7月25日  生野鉱山支庁雇仏人ムーセ三池炭山調査のため来山
             7月      梅谷坑口附近に始めてコークス炉を建設す
            11月12日  長谷坑にて旧坑貫通の際溜水流入、囚人1名罹災す
            12月16日  工部省鉱山助中島佐衡三池炭山点検のため来山

1876(明治 9)年 1月      三池鉱山支庁専属医師1名を採用す
                     三ツ山竪坑開鑿に着手す
            3月 4日   工部省鉱山寮雇技長ゴツトフレー再度三池炭山点検のため来山
            5月       小林大属大浦旧坑溜水疏排に就き「ゴツトフレー」の報告に依る手用喞筒使用                      説を却けて水車排水を力説し9月7日許可を得たり
            6月12日    梅谷坑水溜め破れ2名変死す
            7月       三井物産設立さる
            7月19日    鉄道寮雇外人キンドル及ニウコム鉄道並に海底測量のため来山
            8月15日    工部省工部権大烝福原恭輔三池炭山点検のため来山                           8月21日    三潴県を廃しその一部(筑後一円)を福岡県に合併す
            8月22日    英国人土木技師ポッター三池炭山新工事担任のため来山
              9月 8日    大浦坑の排水に着手す(12月4日干水)                                    10月 1日    三池石炭の販売を三井物産会社に委託す                                 10月18日   工部省工部権大輔山尾庸三竪坑開鑿及波止場設置に関する調査のため来山             11月       英国倫敦「ジョンウエート社」に安全燈100個、同予備碍子並にゴーズ注文
           12月       大浦新坑道(後の大浦第一坑)開鑿に着手す
                      大浦坑口に鍛冶場並に大工小屋を初めて建造す

1877(明治10)年 1月27日  三池鉱山支庁を改め三池鉱山分局と称す
             2月       大浦旧坑口ニ通気火炉及煙突築造ニ着手し11年3月5日入火す
                     薩匪迫るの報(西南の役)に三池鉱山分局小林主任外34名は久留米に、松田                      2等技手外23名は海路長崎に避難す                                     5月 1日  正式に巡査を駐屯せしむ
                23日  大浦坑内に囚徒を使役す
             8月28日  大浦新坑道開鑿着炭す
            10月      三池一帯にコレラ病流行し死者数十名に及ぶ
            12月      三ツ山竪坑完成す(12年5月操業開始)